無線の電波の範囲についてご説明致します
先日、弊社のお客様からこんな御依頼を頂きました。
『無線LANの電波が2階から、1Fの工場の内部全体まで届かないんだけど電波を強くできるかなと?』
結論からいうと電波を強くすることはできません。電波法という法律があり、
それによって電波の強さは決まっています。無線LANルーターは誰でも買って設置することができます。
その分その電波の出力は弱いのです。具体的にその出力は10mW。つまり0.01Wです。かなり弱そうですね。
海外製のルーターですと1Wのものとかはありますが、日本で無免許の状態で勝手に
海外製のルーターを設置すると電波法違反となります。
出力が10mWを超える事ができないのでどんなに良いルーターを買っても
電波の届く範囲は中程度のルーターと変わりません。
じゃあ良いルーターなんかいらないじゃないか!と思うかもしれませんが、
電波の届く範囲は同じでも、安定性、速度が違います。
安いルーターなら1秒間に10MBしかデータを送れないのに対し良いルーターは500MB送れる、といった具合です。
また、たくさんのパソコンやスマホなどをルーターにつなげた場合、
切れたり速度がでなかったりといった不安定になりにくいのも良いルーターなら安定します。
話を元に戻しましょう。どんなルーターでも届く範囲は変わらない。2階建て、
ましてや3階建てのお宅だとどうしても端の部屋は電波が届かなくなります。
本来ならば無線LANルーターが工場の真ん中にあればベストですが、配線の都合上、
部屋の隅に置かざるを得ない場合も多いと思います。
そんな時はあきらめるしかないのか?いや、ちゃんと対処法があるのです。
今は中継器というものが販売されています。
分かりやすく言うと、電波の届かない部屋の隣の部屋など、
まだ電波が少し届くお部屋や場所にこの中継器を置き、設定すると元の無線LANルーターから
出ている電波を増幅してくれる、といった物です。
増幅してくれるので届かなかったお部屋にも電波が届くようになります。
最近の無線LANルーターにもこの機能は付いているものが多いので
無線LANルーターを2台以上お持ちの方は買わずに設置できると思います。
ただし、この設定が少々ややこしい。
マニュアルに沿って行えばできるはずなのですがなかなかスムーズにできません。
今回も最新のBuffaloの中継器を用いて、
Buffaloの無線LANルーターと接続を試みましたが1回ではできませんでした。
AOSS機能が付いているのでボタンを押すだけでできるはずなのですが、できないことが多々あります。
AOSSを使用しているときは機器同士をかなり近づけないとダメなのはわかっているのですが、よく失敗します。
何度かやればつながるのですが、不安なので手動で設定することが多いのです。
手動だと完璧なのですが、少々ややこしいのでお勧めは致しません。
そこで弊社では、重ねてPLC(Power Line Communication)電力線と通信回線として使用する技術です。を用いて二段構えで対応させて頂きます。
工場等の電気の分電盤や、建物のブレーカーなどが同一の電力線で繋がっているのであれば、
電力を使って、PLCと言う親機、子機を設置し、有線LANにてルーターを接続する事が可能となります。
これによって、より広範囲の無線エリアを生み出す事が可能となります。
しかし、難点もあります。PLCはあくまで、同一の電力線で繋がっている場合のみ可能で、建物が違ったり
ブレーカーの配列が違う場合はPLCを使用する事は不可能になります。
また、電力を通信に変える為、通信速度の低下は免れません。
しかし、弊社では、私が第一級陸上特殊無線技士の免許を取得しておりますので
お客様のお悩みやご相談には、解決させて頂ける様、一生懸命その現場に応じた対応策を
一緒に考えさせて頂きますので、いつでもお気軽にご相談頂ければ幸いです。
最後に、昨今ルーターの性能や通信機器の性能は日増しに上がってきております。
今、現状使えてるから大丈夫、別に壊れてからでもいいんじゃないかと思われておられる
お客様も沢山おられます。
壊れてからは、本当に費用は使えてる場合よりも、はるかに費用負担は大きくなります。
これからの、IOT,ICTが必須な世の中では、本当の意味での、情報セキュリティや通信インフラを
是非お考え頂ければ幸いです。
いつでも、クラッチシステムの何でも屋の私にご相談して頂ければ幸いです。
今後とも、皆様どうぞ宜しくお願い致します。
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